『自分で動け、他責にするな、変わりたいなら動き続けろ』元ミスター横市に学ぶ環境を最大限に活かすための進み方

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『チャンスって、もう来ないかも知れないから、迷ったら進むようにはしています』

お話を伺ったのは、大学ミスターコンで優勝経験のある木塚瑞基さん。佐賀県出身の木塚さんは、小中学生の時に計5回の転校を繰り返し、中学1、2年生のほとんどの時間をマレーシアで過ごす。中学3年生時に帰国し、その後佐賀西高校に進学。高校卒業後は浪人期間を経て横浜市立大学に進学。現在は神奈川県内でお勤めされているのだが、それはまだまだ旅の途中だという。今回は、そんな木塚さんが語る『』について、経験談を交えながら紹介していく。

『はじめまして』を得意にしていく

私が初めて木塚さんとお会いした際に感じたのは「圧倒的なコミュニケーション能力」だ。この能力についてお伺いすると、そのルーツは幼少期にあった。

『小学生の時に佐賀から東京に転校したんですけど、田舎から都会に来たことでプレッシャーがありました。田舎者だと舐められないように、佐賀弁を忘れてしまうくらい標準語を話すようにしていました(笑)。あとは何より平穏に過ごしたかったので、とにかく最初は相手に合わせることを心がけていました。コツとしては、まずは様子見をして個性を出さない。周りをよく観察してとりあえずイエスマンになる。これは会社でも同じですね。その上で、会話が続くように適切な質問を投げかけることですかね。これは今の仕事や人間関係構築にも生きていると思います。今話していて気づきました。』

彼の能力のタネ明かしを丁寧にしていただいたところで、私は改めて彼の能力に驚いていた。というのも、全く嫌味がないのである。媚びるようなこともせず、相手に合わせながら自分を消し切らない。絶妙な塩梅でコミュニケーションを続ける彼は、言葉だけでなく表情も豊かだ。控えめではあるが、よく笑う。このすべてのコミュニケーション能力は、おそらく彼が作り上げざるを得なかったものなのだろうが、この答えを導き出した『考え方』に私は興味を惹かれた。それを引き続き紹介していく。

勉強はあくまでも題材

少し専門的な話をすると、木塚さんは「非認知能力」が非常に高い。非認知能力とは、要は学力テストでは測れない社会性のようなものである。そしてこの能力について、木塚さんはマレーシアでの経験が大きかったと教えてくれた。

『中1のときにマレーシアに来て、何もかもが刺激的でした。今振り返ってみると、日本の教育に比べてマレーシアの教育はクリエイティブに感じます。日本ですと、知識を詰め込むような感じで、雑学王になるのかなって感じで(笑)。高校の頃も日本でめっちゃ勉強しましたけど、正直今に生きていない。そうなると、高校当時(の勉強)が有意義だったかと聞かれても自信を持って「はい」とは言えないです。それに比べて海外では「考え方」を学んだように思います。それは今の生活にも生きていますし、有意義だったと感じています。』

なるほど合点がいく話である。木塚さんは「なぜこうなるか、これをこうしたらどうなるか」を深く、瞬発的に考え行動できているのではないかと思える。そしてこれは日本の教育環境でも決して不可能ではない。私もよく講演で話すのだが、「勉強はあくまで手段であり題材」なのである。それを通して、やりたくないことに立ち向かう力や効率よくこなす方法、目標設定のやり方、内容の修正など、生きていく力をつけていくためのものだ。もちろん勉強そのものの知識が役に立つ場面もあるだろうが、木塚さんは勉強や環境の変化を通して「生きる力」を身につけたのだろう。

正直に言うと、木塚さんの環境は一般的に多いケースではない。では、これらの能力は木塚さんの環境だったから得られたものなのかというと、決してそうではない。たとえ環境があっても、行動を起こさなければ何も始まらないのである。環境を活かした実例、環境に甘えた失敗談を続けて紹介していく。(次ページに続く)

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ライター紹介

三重県伊勢市出身。文藝春秋で2年ほどコラムを書いた経験から、文字を通じて伝えることの楽しさを学ぶ。同誌で2022年度コラム部門新人王受賞。自身をはじめ、様々な人の人生から得た学びを伝えていく。